当院にはALSやパーキンソン病などで知られる神経難病の患者さんが多数入院されています。歩行器や車椅子での移動ができる方や、ベッドから自力で移動することができない方もおられます。それぞれの疾病には、自分の意思で身体を動かせない、思うように言葉を発することができないなど様々な特徴が現れます。
病棟スタッフは、患者さんが少しでも快適に過ごせるよう体位変換などのケアを行っていますが、患者さんの安全のために身体拘束を行う場合があります。その際は、ご本人やご家族の同意のもと、おもに抑制専用手袋や車椅子用の安全ベルトを装着していただきます。各病棟には身体拘束廃止係を設置し、身体拘束をしないようスタッフ全員が心掛けています。
2月は、身体拘束の体験を通し、拘束が及ぼす患者さんの心身の負担や影響への理解を深め、身体拘束廃止への意識を高めるための勉強会を開催しました。体験後スタッフからつぎのような感想が聞かれました。
・短時間の拘束だったが、廃止への意識を再確認できた
・精神的苦痛を感じた
・短時間でも外したくなるので、こまめに外す時間も必要
・違和感で余計にいろんな部分を触ってしまい、悪循環
何度も経験のあるスタッフや初めて体験するスタッフから一様に拘束に苦痛を感じたという声があり、必要最低限と考えていてもまだまだ工夫が必要だと再確認しました。今後も患者さんのQOLの向上と看護のレベルアップを目指し、拘束をしないケアをしたいと考えています。