2019年3月の医療法改正に基づき、診療用放射線に従事する職員に対し安全利用のための研修を実施しました。講師は当院副院長の青木賢樹医師が務め、新型コロナ感染症対策のため3回に分けて開催しました。
主な対象職員は看護師で、医療法改正で新たに規定された項目・指針や課題の説明、放射線被ばくによる影響や患者への説明について学びました。
放射線従事者ではない職員が聞いても面白い内容としては、日本の医療被ばくが世界で一番多いという事実でした。 ちょっとした病院であればCTが設置されているのが日本の常識ですが、世界的に見るとありえない台数だそうです。 (病床137床の当院でも設置されています) CTがあることによって高度な診療ができる一方で、日本人が受ける医療被ばくの回数は世界の人々に比べ多くなってしまい、医療費も高騰するそうです。
被ばくと聞くと恐ろしいイメージがありますが、健康診断などでする胸部X線撮影より飛行機の国際線往復の方が線量が多いという話はよく聞きます。 とはいえ、リスクを低減するために適切な方策を講ずることがこの研修の目的でもあります。 不必要な検査やMRIで代用できるものはないか?など、判断基準や患者さんに対してわかりやすい事前事後説明ができるガイドラインが策定されることによって、患者も放射線従事者も守られると考えられます。