スキンテア(皮膚裂傷)についての研修会を開催しました

摩擦やずれなどにより皮膚に生じる裂傷を「スキンテア(skin tear)」といいます。
スキンテアは高齢者の脆弱な皮膚に生じやすく、日常のケアや生活で起こり得るものですが、比較的新しい病態として、医療関係者でも認識が進んでいないのが現状です。
高齢者が多く入院されている当院で質の高い看護を実現するために、スキンテアへの取り組みは重要です。
今回、当院の皮膚・排泄ケア認定看護師が講師となって、スキンテアについての研修会を開催しました。

まずスキンテアとはどのような状態を指すのか、スキンテアと褥瘡(じょくそう:床ずれ)との違いや、5段階の評価システムと各段階での適切な処置方法などの説明がありました。
その中で、スキンテアの処置はめくれたり裂けてしまった皮膚・皮弁(ひべん)をできるだけ戻すことが大事だというポイントがわかりました。

さらに、スキンテアの発症しやすい部位や要因、予防策について、事例を引きながら具体的な説明が行われました。
皮膚の保湿ケアやテープ類の貼り方・はがし方や、ベッド周辺の環境整備、外的な圧力を低減させる体位変換のコツなど、日常的な看護ケアで注意するポイントがいくつも紹介されました。

最後に、患者さんがスキンテアで痛い思いをする前に予防策を立てること、医師やリハビリ職など看護職員以外とも情報を共有して対応していくことが重要だと伝えられました。

今回の研修会は主に看護部職員を対象として開催されました。
参加した若手看護師の1人に感想を聞いてみたところ、
「スキンテアについて初めて知った。乾燥して固まった皮弁を戻す時、生理食塩水を使って皮弁をふやかすと元に戻りやすくなるといった処置を知り、ためになった」と話していました。

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