「インシデント」「アクシデント」という言葉をご存じでしょうか。
医療従事者には周知かと思いますが、インシデントとは誤った医療行為などが実施される前に発見されたもの、あるいは誤った医療行為など実施されたが、結果として患者さんに影響を及ぼすには至らなかったものを言います。
アクシデントとは「医療事故」を指し、医療行為が実施され治療行為が発生した事例を言います。
当院では医療安全管理委員会が中心となり、インシデント・アクシデントの報告制度を設けています。集まったレポートに対しては、原因分析、再発防止策の検討および提言、検証を行い、医療事故防止対策に努めています。
また、職員の意識向上を目的とした研修会を年2回開催しており、先日、今年度最初の研修会が行われました。
研修では、ヒヤリハット(事故につながる一歩手前の事象)の起こりやすい要因として、知識・技術の不足、多忙であるなどの勤務状況、緊張状態といった心理条件が大きいことが紹介されました。
また、当院の過去のインシデント・アクシデントの集計結果では投薬での割合が多いことが示され、投薬での治療が重要と位置付けている神経難病主体の当院の特性が見えました。
このほか、自動車や家電の設計に取り入れられている安全対策など、日常にも事故防止を考えるポイントが多くあることがわかりました。
医療安全は、医療の質に直結する最重要課題のひとつです。
今回の研修をきっかけに普段の業務を医療安全の面から見直し、改善していけるよう、医療安全管理委員会も支援していきます。