手指衛生の研修会を開催しました

手指を清潔に保つことは感染予防の第一歩です。感染対策を行うことは病院職員としての重要な使命と言えます。
当院では院内感染防止対策の委員会があり、その活動の一環として、今回は第2病棟と合同で全職員対象の手指衛生研修会が開催されました。
手指衛生研修会

まず、石けんと流水による手洗い後と速乾性擦式手指消毒剤(以下、ジェル※)使用後の菌数比較や、ジェルの量・すりこみ時間の違いによる菌数の比較結果が紹介され、指の間に洗い残しが起こりやすいことや、適正な量・すりこみ時間(1プッシュ・30秒間)を守ることが効果的であると指摘されました。

続けて、例えばノロウイルス、ロタウイルスといったエンベロープ(脂肪・タンパク質・糖タンパク質の膜)の無いウィルスはアルコール消毒が効きにくいことや、手指衛生が必要なタイミングなど、手指衛生の基礎知識を一通り再確認しました。

また、感染対策のガイドラインを発表しているCDC(アメリカ疾病予防管理センター)のデータによれば、ICUでは1時間あたり平均20回の手洗いが必要とされているとのことです。石けん・流水による手洗いに約1分かかるとすると、およそ1時間に20分間を手洗いに費やしていることになりますが、ジェルの使用でその時間を短縮することができます。忙しい業務の中で効率的に手指消毒を行える(目に見える汚れの無い場合)ことがジェルのメリットとして説明されました。

この研修を通じ、手指衛生の重要性を再認識できました。ジェルの活用のほか、普段の手洗いでも指の間や手のしわ、親指を意識し、結婚指輪はずらして洗うなど、洗い残しが無いように心がけていこうと思いました。

※当院ではジェル状のアルコール製剤を使用しています。