AEDとは、心臓が心室細動という不整脈を起こした時に、電気ショック(除細動)を与え、心臓の働きを正常な状態に戻すための医療機器です。近年、様々な場所に設置されているのを見かけるようになりました。当院と、併設の阿賀の庄にも設置しています。
緊急時にスムーズに使えるよう、当院では定期的にAED使用についての講習会を開催しています。今回の講習会では製造メーカーの方に講師をお願いし、多くの職員が参加して使用方法を再確認しました。
まず「JRC蘇生ガイドライン2015」に沿った救命の手順についての説明がありました。
周囲の安全確認と傷病者の意識確認をした後、周囲に助けを呼ぶ際は、「あなたは119番通報してください」「あなたはAEDを持ってきてください」としっかりと指名した上で具体的に依頼し、相手に責任を持たせる形で依頼すると、相手が行動しやすく、救命処置の時間短縮となります。
続いて、 人形を使いながら胸骨圧迫の方法を復習しました。胸が約5cm沈む程度の強さで、1分間に100~120回のリズムで押すのを繰り返します。
そしてAEDの使用方法についての詳しい説明がありました。大きくは次の3ステップにまとめられます。
- 蓋を開ける(当院設置のAEDは蓋を開けると自動的に電源が入ります)。
- 体にパッドを貼る(電気ショックが必要かAEDが心電図の解析を始めます)。
- (必要なら)ショックボタンを押す。
また、パッド貼り付け時には下記が注意事項としてあげられました。
- 電気ショック時のやけどを防ぐためにネックレスをパッドの上に乗らないように外す、よける。
- 体が濡れていたら表面を拭いてから貼る。
- パッドとパッドで心臓を挟むようにして貼る。
- ペースメーカーが右側に入っている人はよけて貼る。
- パッドをはがして貼り直さない。
- 重ねて貼らない。
さらに全体的な補足として、
- 人工呼吸は無理にしなくてもよい。
- 人命救助を優先し、下着・肌着など取れるものはすべて取り、パッドを貼る。その際、服を広げて目隠しするなど、プライバシーへの配慮は周囲の人に頼む。
などの説明がありました。
いつAEDを使うことになるかは前もって予測できません。この講習会で使用方法について復習し、いざという時の準備ができました。
<参考リンク>
日本救急医療財団 全国AEDマップ
AEDライフ(日本光電ホームページ)