ストレス解消、疲労回復に、温泉を楽しまれている方は多いことでしょう。私もその一人であり、もっぱら日帰り温泉専門ではありますが、温泉に浸かるのを生き甲斐としております。
温泉の効能には、基本となる温熱作用のほかに、水圧・浮力といった物理作用、皮膚の清浄作用、温泉成分による薬理作用などがあり、温泉成分によっていろいろな効能があることはご存じのことと思います。
温泉法では、施設内の見易い場所に、温泉の成分、禁忌症及び入浴又は飲用上の注意を掲示しなければならないと規定されており、通常は脱衣場に温泉の成分表とともに効能症と禁忌症が掲示されています。
源泉の分析結果(温度、成分、濃度等)により、温泉法の基準により温泉に該当するか規定されます。さらに、この温泉の中で、泉温、成分、濃度、組成等から、薬理学的に医療的治療効果が期待できるものを療養泉と規定し、これに対して泉質名が付与されます。そして、泉質に応じて効能症や禁忌症が規定されます。
しかし、実際の温泉は、加水、加温、循環・ろ過されたり、塩素消毒されたりしていますから、成分表通りの温泉に浸かるのは困難であり、掲げられた効能がそのまま得られる保証はありません。でも温泉の効能は実感されると思います。
温泉の医学的効用は、その温度、その他の物理的因子、化学成分、温泉地の地勢、気候、利用者の生活状態の変化、その他の総合作用に対する生体反応によるものであり、温泉の成分、泉質のみによって各温泉の効用を確定することはできません。
また、どんなに泉質が良い温泉であっても、混み合っていてはくつろげませんし、小さな浴槽ではゆったり感はありません。スーパー銭湯や健康ランドのように、温泉でなくても多彩な浴槽や付帯設備の充実度で楽しめる施設もあります。このように、温泉の魅力は単に泉質だけで語ることはできません。
温泉に入って気持ち良いのは紛れもない事実であり、このような即効性はどんな医薬品でもかないません。ああ、気持ちいいなあ・・、これこそが温泉の最大の効能であり、魅力だと思います。泉質がどうの、効能症がどうのと議論することは無意味に思えます。
仕事や家庭のしがらみから一瞬でも逃れ、大きな浴槽に浸かって、家庭の浴槽では味わえない開放感を味わうのが一番ではないでしょうか。景色が良ければさらに良く、このような非日常を味わうことが何よりの魅力だと思います。
泉質だけでなく、設備、景色、雰囲気、料金等も含めて、自分のお気に入りの温泉を見つけるのが温泉めぐりの楽しみです。
安田温泉、宝珠温泉、村杉温泉、今板温泉、出湯温泉、真光寺温泉など、阿賀野市内に限ってもたくさんの温泉があります。遠くに出かけなくても身近に素晴らしい温泉があります。さて、今日はどこに行きましょうか。
院長 近藤 浩