新年はだいぶ過ぎてしまいましたが、まずはご挨拶とさせていただきます。
「新年明けまして、おめでとうございます。」旧年中は大変お世話になり、この場を借りまして御礼を申し添えさせてください。そして、今年も宜しくお願いいたします。
ところで、皆様は今年の目標などは立てられましたか?そして、今年のお正月を如何お過ごしだったでしょうか?無事里帰りされ、楽しかったでしょうか?初日の出はご覧になりましたか?逆に、差し上げないといけないお年玉がたくさん必要だったでしょうか?新聞やテレビを見ると、特に今年のお正月は暖かい日が多く過ごし易かった代わり、日数が短かったと感じる方が多かったようです。
個人的には、お正月でもコンビニが開いていて、とても助かりました。道の駅、高速道路のサービスエリアも開いており、ありがたかったです。
そして、いろいろな病院(特に急性期病院)の方々も仕事をしておられた訳で、お正月でも休めない職業の方々に感謝いたします。そして昨年は、テロなど、いろいろ物騒なことが多かったのですが、今年は平和な年であることを祈ります。
さて、自分の家のトイレに小学生の習う漢字の一覧表なんぞがかかっており、篇(へん)と旁(つくり)に感心しております。漢字博士や博学の方はご存知とは思いますが、しばらくお付き合いください。
人間の一部分から成り立つ部首が多いようです。例えば、「聞」は、耳篇で括られており、門構えではないようです。そして「問」は、口篇です。口で問うのでしょう。同じように命令の「命」も、口で言うようで、口篇です。ちなみに「令」は、「ひとがしら」というようです。どうやら人が口で、命令するようです。
先ほど出てきた平和の「平」は、「かん・いちじゅう」、干すと平らになるイメージで、平たく(一様に)という意味でしょうか。「和」は「のぎへん」ではなくて、口篇です。武器(テロ)ではなく、口でよく話し合って平和をもたらしていくのでしょう。左側の意味は、「のぎへん」と同様に頭を垂れる(謝る、もしくは、挨拶するのでしょうか)行為であり、それもこの字には必要な意味なのでしょう。もしくは、穀物(粟らしい)を食べて、満腹で、和んで(なごんで)穏やかになった感じでしょうか?
ちなみに「秋」は、「のぎへん」です。「のぎへん」は、イネ科の粟(昔は、米より、粟が主たる穀物であったようです。)を意味し、その穂が実り、頭を垂れる様を表します。そういった意味と、木々が秋になると赤く紅葉し、火が燃えるように見えるためでしょうか。それとも焼き芋を焼く火が有るというような季節だからなのでしょうか?
「書」の下の部分は、「いわく・ひらび」と言います。曰く(いわく=しゃべる)と関連があるようです。口に舌のような横棒が見えており、しゃべっている様を筆で書き表しているのでしょう。「書」の上の部分は、手で筆記用具=筆などを持っている様を表しているとのことです。むしろ、「書」は、書き順が難しく、縦棒は、6番目に書くようです。今までは、4番目で書いていましたが、間違いだそうです。今は、文字はコンピューターですぐ出てきます(変換されます)。
同じような漢字で、「筆」は「たけかんむり」で、下の部分は筆を持った手を表しているようです。もちろん「笛」も「たけかんむり」です。昔は竹で作っていたからでしょうか。下の部分の「由」は、「抽」と同じで、細い穴から抜き出す様子です。笛吹童子や、武蔵坊弁慶と牛若丸(後の源義経)の五条大橋の話でも、昔見たドラえもんなどでは横笛を吹いているイメージです。
そして、初日の出の「初」は、「かたな・りっとう」です。衣(ころも)篇ではありません。『刀で衣服を裁断する事を意味し、裁断する作業が衣服を作る手始めの作業であるから、「はじめ」を意味する「初」という漢字が成り立ちました。』との事です。(「漢字辞典—OK辞典」より引用)
「群」は羊篇で、「着」も同じです。「群」は羊が多いのがなんとなくわかりますが、「着」はピンときませんね。しかも下は突き出ていないように思います。ほとんどの辞書と小学生の早見表では「着」は羊篇でしたが、「目」とする辞書もありました。どちらが正しいのでしょうか?昔は羊の毛皮を服に着ていたのでしょうか?逆に、目なら着いたところを目で見ているので、なんとなくわかりますね。どちらも正解なのでしょうか?
しかし、そもそも昔は日本に羊がたくさんいましたっけ?調べてみると、やはり三千年前程に北中国に羌(キョウ)と呼ばれる遊牧人が羊を放牧していたそうです。『「羌」は「羊+人」を合わせて羊飼いを表した字で、今日のチベット人の元祖にあたるとの事。その影響をうけて、大昔から華北、華中の漢民族も羊の肉と羊の毛皮とを愛用した。』(「賢者への人間学」藤堂明保・産業新潮社※絶版 より引用)との事です。ちなみに羊は神事に使われる大事な動物であったと事です。「美」も羊篇です。羊+大(りっぱ)」を合わせて美という字ができた、との事です。
最後に、「酒」の部首は「氵=さんずい」ではありません。「酉=さけのとり、とりへん、ひよみのとり」です。おそらく水のイメージ(流れる)と、酒を注ぐための底が尖った壺(瓶)に蓋がしてある形を示したものとのことです。もしくは、収穫した穀物や果物からアルコールなどを熟させて酒として抽出したものを入れてある酒壺から、香気(アルコールなど)が匂い立つ様を表す漢字だそうです。ちなみに、とり=酉=鳥としたのは、庶民に十二支を教えるためらしいです。
十二支といえば今年は猿年=申年ですが、「申」は田(た)篇で、意味は稲光・稲妻が左右に走る様で、「神」や「伸」の右側も同じです。「申す」も同じです。十二支の漢字自体は、流用されたもので方角を決めるための順番らしいですが、その順番がどうして決められたかは不明だそうです。「語源由来辞典」によれば、どうやら十二支と動物はあまり関係ないようです。ネズミが牛の背中に乗って、一番についた話や、猫がいないなどは、後からの作り話だそうです。
お酒の話が出たところで、お正月は既に済んでしまいましたが、私もお酒でも飲んでのんびりゆっくりリラックスしたいと思います。皆様もどうぞお身体を御慈愛ください。そして、今年一年またぼちぼちと頑張りましょう。
学問とは、ほど遠い話で、申し訳ございませんでした。そして、お後がよろしい様で、ほな、御機嫌よう。今年も、良いことが皆様に訪れますようにお祈りしております。
副院長 青木 賢樹